雨やみを待っている、僕ら/Rin K
汚れた雨が蹂躙する街角で
傷をかばいあうために手を繋ぐ
傘を持たない日だけ、どうしようもなく
君の手があたたかくて
切れた指先が痛みを増した
僕の手は
どんな温度で君に
伝わっているのだろう
問うこともできず
告げられることもないまま
街はいっそう暗みを帯びる
行き場をなくして
アスファルトにたまり始めた、雨に
僕は遠い夏の青空を映してみる
あれは、そう
海岸通りの空
駆け出したばかりの夏の日
目の前に浮かぶ小さな
名もなき島を、君は
楽園と呼んだ
海の色が滲んで、あわい
水色の海岸線は
どこから始まってどこで終わるの
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