35P 「短歌2」より/むさこ
 


石なげて しばししてより音のする
ダムの高さに心おののく

静かなる師走のダムに労務者の
網引ける声 四方にこだます

つぶらなる茨の赤き実の陰に
するどきトゲが短陽に透く

寒椿一輪咲きて 初春の思ひ豊けく
雨となる午後

雪積みし車の屋根より虹色の
雫落として日差し明るし
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