背表紙/umineko
 
あなたが
私の本棚の
背表紙をそっと
撫でる

私が
親しんだ本たちが
小さく
揺れているのがわかる

ああ
それは
古本屋でね

そっちは
お風呂で濡れちゃって

物言わぬ本のため
私は
はじめましての
ごあいさつ

やがて
あなたの指先が
私の背表紙を
押すのだけれど

それは
ほどない夕暮れの

私の部屋に差し込んで




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