都影女/hiro
 
たんだとか
こんな私でももっと人の役に立つことが
あったのではないのだろうか
とか色々考えた
そして泣きじゃくった
しかし誰の耳にも届かない
ただ闇を這いずり回るばかり


足を止め女
過去の私、現在の私を振り返り
清めの涙流す
すると闇が涙を照らし
光の道を創った
光は遠くのほうまで続き
女は必死に這った


何年も何年も深い暗い影の中で
櫃に閉じ込められてた人間が蘇ったかのように
カーテンの間から差し込む日に目を細め
重たい体をふらつかせながら窓辺に向かう
そして現実を遮ってた
重々しいカーテンを開け
ああ 夢でよかったと
都会の影でひっそり住む女は呟いた
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