再会/yoshi
テーブルの向こう側で
少し緊張気味に彼が笑う
あんなに長い時間を
過ごしてきた彼は
いつの間にか手の届かない存在になっていた
街角や
喫茶店に置かれたフライヤーで
彼の笑顔や
彼の横顔を見た
大事に取っておいた彼のメールアドレスは
私にとって
命綱のようなものだった
勇気さえあれば
彼に会えるかもしれない
そう思いながら
長い長い年月が過ぎた
少ないけれど
数人の人と恋をした
そのときはその恋に
おぼれる事も出来た
だけど
そんな時でさえ
街角で見かけ
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