腰越/服部 剛
 
ける 

見下ろす線路の向こうに 
群がる草花は揺れ 
何処からか 
大きい尻を振りながら 
蜂が一匹やってきて 
桃色の小さい花の蜜を吸い 
また何処かへと飛んでゆく 

踏切が鳴り 
ブレーキの輪音を立て 
家々の壁とホームの間に 
ぴったりと入ってくる 
二両の江ノ電 

汗をかいた 
窓ガラスの向こうは 
鉛色の海に霞む
江ノ島の黒い面影 




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