賛美歌/水在らあらあ
ねえ
あたしを
裏返しに愛して
波の裏側でも
月の裏側でも
あなたの
銀河の
裏側でも
おまえの髪がなびく方角に帆を揚げよう
それで行き着いたところでどうにかしよう
なんにもいらないぜ
光の貧しさにあえいでいた心が
息次いで見上げた波の上には青空が
あふれて
あふれて
輝いて
その輝きのうちに全ては鳴り響いて
黄道の真上に広がる美しい痣
いのち
きらめく涙
血まみれの斧
それは
全裸で
世界で
まぎれもない
俺たちの姿だ
星屑と涙と
血に まみれた
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