酔っ払い行進曲/肥前の詩人
酔っ払い行進曲
こうず まさみ
そうだ
酔うために 酒は あり
恋するために 君は いる
そのことは
ほとんど 奇跡と同じことなのだ
酔いながら 明日の平穏な 散歩を 夢見る
恋しながら 君の未来について
熱っぽく 語る ひとが いる
そうなのだ 急がねば ならない
一休み している間にも 奪われるものが あまりにも 多くあるから
媚を帯びた君の 誘いに
惹かれたふりをするのも
つらいものだ
詩人であるぼくは よれよれの服装まといながら
冴えたことばで 君を惑わす
なぜなら
穏やかな 明日を願うものの一人として
ぼくは この大地に 立つ
そこから 視えるものが
僕の すべてで あるから
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