夕焼けの終着駅/黒子 恭
空がオレンジに染まってしまって
お前が生きた一日が終わる
そろそろ
水平線を被りながら
俺の視界の届かぬ場所にて
お前は眠りにでもつくのだろう
俺達は未だ
蛍になったかのやうに
街を照らしたまま
眠るタイミングを
計りきれずにいる
あの日、
夕焼けの終着駅に
一体、何を忘れてきてしまったのだろうか
お前は静かに、
ただ静かに海の切れ端を灼きながら
落つるやうに
眠りにつきよる
そうして
まんまと先を越された俺達は未だ
街に照らされたまま
眠るタイミングを
計りきれずにいる
あの日、
夕焼けの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)