彼女はサボテン/hiro
 
長期出張を終えた気分晴れやかな私の前に
あんな残忍な光景が待ち受けているとも知らず
私はエレベーターの前で玄関扉の鍵を指に絡ませ
クルクルと回しながら扉のほうへと足を進めた

はじめに玄関扉を開けるみると
鼻が曲がりそうな臭いに襲われた。
私は何が起こったのか心配になり
急いで土足で足を踏み入れ廊下の奥へと進んだ
歩く度に埃が立ち上り 私の視界を遮る

私は徐々に異臭のするほうへと足を運ぶ
するとそこには私の想像を絶する
惨たらしい光景が広がっていた

私はしばらくの間、足が凍りついて身動きできないでいたが
あの楽しかった日々に思いを馳せていくうちに
纏わり付いた
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