くろのかたろぐ/
たりぽん(大理 奔)
京都には
たくさんの色がある
錦の糸、その数だけの
雨が降れば、石畳の
風が吹けば、竹林の
雪が降れば、杉山の
星が舞えば、祭囃子の
さらりと、するりと、
あたりまえの顔をして
せいいっぱい背伸びする
京都で一番大切なのは
黒の型録
誰よりも黒い喪服を着て
錦のかかる山門をくぐり
雨が降れば、石畳の
風が吹けば、竹林の
雪が降れば、杉山の
星が舞えば、祭囃子の
それぞれの
それぞれの
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