パラソル/
たもつ
玄関に傘が一本
ギロチンのように
あった
昔こんなもので
人が酷い目にあったのだ
と信じられないくらいに
静かな朝だった
やがて傘は
扉を開けると
仕事机のような格好になり
走って行ってしまった
そのことをいくら説明しても
わたしの言っていることが
言葉であると
誰も信じてなどは
くれてなかった
戻る
編
削
Point
(9)