男と女/狩心
 
静かな演説中に無意識の内に人を殺めてしまうような
一行毎に予告されていて
時間が無いような空間で着実に時間が経過している
もはや舞台は、記憶とたった一枚の写真で十分だ
そして、未来から流れてくるメロディ
俺の体が消える
女は殺されて解放されたが、
男はその空間に焼き付いて、鎖で繋がれたままだ

木の実の上に
澄んだ町並み
心の垣根に
温められた内臓
追い詰められたマングースが
蛇に擬態して
給料明細を
叩き壊した
−真夏のリズムで−
失いかけた背中を...
思い出そうとしている/
1.2.3.
犯人はポルトガルに逃げた
翌朝、
それを新聞で知った

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