詩のキュビズム/円谷一
 
 ビルに横になる 空と心がくっつく
 様々な角度から見た景色がビルにくっついていく
 巨大な塊となって宙に浮かんでいる
 まるでルネ・マグリットのピレネーの城のようだ
 どの方向から見ても二次元に見える
 この状態はどんな不条理も通用するのだ
 やがて人々が見せた種々の感情もくっついて
 塊は異質なものとなっていく
 ビルを基準としてくっついている
 洗練された感性を持っていないとただの塊にしか見えないだろう
 まるでこの文章のようだ
 塊はさらに物事を吸収していく
 世界中でこれを模写する子供達
 何を理解していくのだろう
 世界はゆーもあとウイットを求めている
 
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