白い朝顔/
生田 稔
妻が勤めに白い朝顔が初めて咲いた雨がしきりに降る
ドビュツシー前奏曲集静かな曲妻を想う悲しさを癒す
鎮めても後からわく不安あくなき心配人は空しきもの
電話線には雀が五六羽さわやかな朝歩み行く
冷えた茶を呑めば静かな部屋の中ペンが走るよ白き紙面に
三色の団子を口にはこびつつ何事もなき私の周囲
雨だれが軒下よりおつる昼下がり年金給付に戸惑う人を
人は音楽を愛するべきそしてパンと葡萄酒をとれ主のため
雨音がする雀さえずる合羽をつけた子が通る涼しき夏
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