狗尾草/atsuchan69
たちは飛べるわ。
もう一度 昔のように・・・・
夜明けとともに途轍もない衝撃が空に谺(こだま)する
キミは宙を舞い、とおく 星々の彼方へと飛び去ってゆく
丸められた紙屑のごとく クラッシュした世界のなかで、
ただひとり生きのびた僕は やがて気が触れたかのように笑う
しかし朝の光は、強欲な血塗れの自由を放飼いにすることはない
それでも物影に潜み、残虐なアソビを片手で弄んでは
長い鎖を垂らした夜が未だスパークしつづけている
アスファルトのほんの片隅で、茂った狗尾草が風に揺れ
傍らに首のない女の身体がひどく無惨な姿で転がっていた
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