リスク、/
望月 ゆき
なじところばかり、すりむくのだろう
二足歩行が得意な、夜に
傷つきたがるわたしたちの 悪い癖
かさぶた、その下の
リスク、
常夜灯をたよりに つま先から
てっぺんへと、たどると
用意されていた視界が 落下して
朝が 見え隠れする
ひらかれていく、内側
まだ再生されないままの 皮膚に
遠くの給水塔から
きのうの雨のにおいが流れこんでくるので
どんなに深く、
深く抱きしめられても たぶん、
泣いてしまう
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