ある日のわたし/三条
その日、わたしの目覚めた朝は、とても日差しが強くて、日のあたる形に、ベットも温かくなっていた。
なぜか窓ガラスははっとする程冷たくて、風が威かすように、ざぁっ、と走り抜けていった。
わたしは呆然として、はっきりと理解した。子供はもうおわりなのだと。大人にならなくてはいけない時が来たのだと。
鳥の声は遠かった。
わたしに限って言えば、それは突然やってきた。
突然に、しかし確実に。
わたしはおかしなほどそれをあっさりと受け入れた。そう、まさに大人しく。
わたしは簡単に化粧をしたあと、子供のわたしがした最後の恋に別れを告げた。もうわたしは卑怯な子
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