りゅうぐうのつかい/
ICE
黒い靄は雷を呼ぶ前に飲み込んだ
雨水と泥を織り交ぜ仄かに濁る淵にたゆたう
目に飛び込む群れは
荒れ狂う息遣いの儘に複雑に絡め
今にも罅割れそうに鱗を揺さぶる動を
――珠の瑕
此の水面まで昇りついた奇蹟の刻宛ら
現わし乍に凍てつく有様
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