ちょっとそこまで/加藤泰清
ゆっくりと回っていた
気がすんだ頃には夕方だった
ちゃくちゃくと網目のような道をわけいって
最後についたのは少し丸くなったひみつ基地
眠りにつこうとしている
朝まで待つことはあきらめていた
ここになにもないことはわかっている
この手でしっかりと握ったビームガンは
頭上の一番星をつらぬいた
たちまち かけらが落ちてくる
それは火の粉のようなもの
あるいは雑念
えんえんと泣き叫んでいる 自分のようなもの
枕がないと寝られなかった
わずかにふれあっている記憶で
さまざまな揺れ方をたしかめた
命知らずなものと 崇高な魂 夢と希望
今日もいいことがあったと確
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