ちょっとそこまで/加藤泰清
 
ゆっくりと回っていた
気がすんだ頃には夕方だった
ちゃくちゃくと網目のような道をわけいって
最後についたのは少し丸くなったひみつ基地

眠りにつこうとしている
朝まで待つことはあきらめていた
ここになにもないことはわかっている
この手でしっかりと握ったビームガンは
頭上の一番星をつらぬいた

たちまち かけらが落ちてくる

それは火の粉のようなもの
あるいは雑念
えんえんと泣き叫んでいる 自分のようなもの
枕がないと寝られなかった

わずかにふれあっている記憶で
さまざまな揺れ方をたしかめた
命知らずなものと 崇高な魂 夢と希望
今日もいいことがあったと確
[次のページ]
戻る   Point(5)