動物園/たもつ
 
 
 
水底に
動物園はあった
かつての
檻や
岩山を
そのままにして
いくつかの動物の名は
まだ読めたけれど
散り散りの記憶のように
意味を残してなかった
あなたは月に一度の
刊行物を待つ
かのように
郵便受けの方を
眺めている
穏やかな日和
園内を見て歩く
二人の手は
同じくらいの体温で
繋がっていた
動物園を沈めたのは
ぼくだ
 
 
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