印象・日の出/円谷一
 
友関係が増え 芸術家達と多くの時間を共有した 僕は比較的好きなことをしていられた 戦争で国民が駆り出されている中で幸せな時を過ごすことができた しかしヒトラーがパリを侵略した時に新聞や雑誌や本が出版禁止になると僕はお金を儲けることができなくなり 路頭に迷った 家族は妻の故郷へ帰して 僕はなんとかお金を稼ごうと街頭で詩を売ったりしていた でもそんなものは僅かなお金にしかならず 貧困で倒れそうだった 
 そんな時 ふとモネの絵を思い出し あの同じ景色が見える場所まで行った 鮮やかな日の出だった 僕はこの苦境を乗り越えてみせると誓った 数年後戦争は終わり 再び美術館でモネの印象・日の出を見た とても心暖まる絵画だった
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