印象・日の出/円谷一
近代化の波を受けた川の大都市は工場を次々と建設し朝早くから煙をもくもくと吐き出している
その傍らには経営が上手く行かず潰れてしまった工場が
人間の生きる為の象徴のようなバーミリオンの太陽が地球の様子など何も知らぬといった顔で震えながら照らしている
その二つが何とも対称的に映る
寝ぼけていると夕暮れと間違えてしまいそうなサーモンピンクとプルシアンブルーの空が眩しい
それらの絶妙な景色を見ているのは遙々国際都市へやって来た観光客や地元の人達で 大河をゆっくりと舟で漂いながら脳裏に鮮明に焼き付けている
僕は詩人で 新聞の投稿作品に講評をつけたり雑誌のワンコーナーで作品を披露した
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