零れ落ちた太陽の下で/結城 森士
朝の光、朝の 黒い夢の中で
揺れる窓際―――(揺れている)
全身が、濡れている
水が 僕の 周りに 落ちる
空中で横になり
妖精達が、太陽に向かって飛び立つ、夢を見る
薔薇とチューリップ 太陽が瞼を染める
……。
夢を見る。身体は溶けていく
意識もなくなってしまえば、
どんなにか楽だろう。
傾斜は8度
紅い妖精達が揺れている
黒い地面から、生まれてきたのだ
彼女達の意味、水に靡く王女の髪
成功した花占い、失われた声
*
夢想し、飛行し
航海船が、僕を追い越す
僕は青い奇声を、あげる
波が飛沫を、あげる
空は僕の身体を
ゆっくり
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