熱帯夜/雨宮優希
 


規則的に点滅繰り返す蛍光灯
「本日の放送は以上をもって全て終了しました」
冷めかけの珈琲 書きかけの日記帳
あとに残るは破られたカレンダーと砂嵐だけ

どうしてだろう
僕だけが まだ終われずに いる


「本日の業務はこれにて全て終了しました」
そんなアナウンス聞こえるわけない
消えそうで消えない光が疎ましい

お尻のあたりにスイッチ探してみるけど
そういえば 僕は
21世紀に生きる人間なのだと 気付く


外でやけに吠えまわっている野犬が
少し羨ましくも思える
僕は人間様なのだ 君らのようには鳴けないの
だからもう静かにしておくれよ


あとこの1フレーズを書き終えたら
冷めた珈琲を胃に流し込んで
ベッドに潜りこもう そして目を瞑ろう
おやすみなさい ただの独り言

今日も良い日だったかな?
夢にまでは見たくない






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