一度きりのプラネタリウム/円谷一
うことだ 本当の世界で 虚構の世界に慣れすぎてしまった僕には果たして叶えられることなのだろうか
君も街も消えていって 僕は雪原の上で倒れている 君が好きだった「プラネタリウム」 僕は隣で口ずさんだ君の姿を思い出して 流れ星のような涙が流れていくのを感じた 夜はまだ明けない 渺渺とした雪原 僕が何かしなければ世界は動かない 僕はゆっくりと歩き出した 明日の方角へと それが何処に続いているのかは分からない でも背景も無視して 僕は同じ心持ちで歩き続けるんだ そうすれば 身も心も果てた後でも 君の元へと辿り着けることができるんだよ? その時は僕と君は混ざり合って世界のホワイトホールになることができる 僕と君で創造し 平和を手に入れることができるんだ
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