せかいう/石田 圭太
 
さようなら

さようなら、

空を

じっと

眺めている

百千万の兵隊が

降り注いでいる

擦り鉢状のせいめいに

朝が、

手渡されている

擦り潰すのならば

朝、

擦り潰すのならば

混ぜ合わさった体液の

おはよう

彼女の乗った車はまだ

遠くの方に見えている

かぼそいものを

よく

見分ける目を持った少年が

おはよう

光が

手を叩いて、

せかいでは

それをくうかん



呼んだ

遠くの方に見えている

おはよう

おはよう、

これまでの

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