てんとう虫/
ロカニクス
てんとう虫が
はじまりを見ようとしている
いつも黒々として
その目に届く瞬間
昨日の蝶のように青くなる
寂れた車輪の下
命の枝葉いくらでも伸びる
葉を噛んでみると
溢れんばかりに甘い
アリマキを腹に詰め込みすぎた後
自分がアリマキになってしまいそうで
この葉にしがみつく
家族をくわえた蟷螂は車輪のことを
はじまりと終わりの象徴と呼んでいる
てんとう虫は象徴の意味が分からず
ただはじまりは
大きすぎると受け止めている
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