星を/水在らあらあ
 

星を
呼べるんだね
あのロバ
ほら
また流れたよ

マルガリータがたくさん
天の川のように
おまえの裸足は濡れて
蒸しパンみたいにふやけて
それでも流れ星が欲しいから
おまえはじっと
蟻に噛まれたってじっと
まっすぐに空を見ている

そしたらあげるよ
ほら
此処に来る前に
俺たちが拾った
この木の実は
一個の星で
それは俺の心臓と一緒で

おまえを愛して
おまえを撫でて
永遠に
遠ざかってゆくから

銀色のポットに
埋めて
テラスの一番日当たりがいい一角に
おいてやればいい



なあ だから
風邪引くから
もう帰ろうよ
なあ 

帰るよ





?.



星を
呼べるんだね
おまえは

また一つ呼んだね
もう帰ろう

なあ もう帰ろう



流星がいくつも突き刺さって
輝いて 血を流して


それが俺だ

おまえが 愛して

おまえが 失くした












戻る   Point(35)