眠り囀る、鳥と語らうに/doon
 


 大勢の鳥達がワアワアと騒ぎ立てて逃げていった
 と同じくして
 私の胸の中でも鳥が泣いていた
 閑古鳥 かんこ鳥

 一人が怖い 一人と言う寒気が痛い
 重量感のある世界に一人の人間は
 はたして
 どう後付けされるのか

 一つ確かなことはある
 水中から水面を見上げれば世界は
 優しく歪んで冷たいという事
 ワアワア騒ぐ鳥は決して知らない世界
 と反して
 私の胸の中の鳥は震えて泣いていた
 かんこ鳥 閑古鳥

 鳥の背中を撫でるには私の手
 大きくなりすぎた

 ハッとした
 帰ってきたのだ
 一羽が宿り木へ停まると
 ぞろぞろと帰っ
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