キラメキ/マッドビースト
冬の間に完成された景色は
硝子瓶に詰められてきらきらしていた
細やかなバランスをとって
その中を動くものはなかった二月
桜は荘厳に咲いて
壮麗に散って
始まる年ごとに生まれ
生まれる度に愛された
今年も私は憧れていた三月
四月の今日
真っ青な空から街にそそぐ光はキラメキ
天空の剣
昨日まであんなに私を拒んでいた
強張った空気がシーツのように簡単に裂かれて
開いた傷から流れ込む春
飛び散る欠片の一つ一つに違う色
それぞれに違う始まりのビジョン
私の中の思春期は何か
欠片に映る終りの不安に
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