帰巣者/
んなこたーない
えているのですね
しかし これ以上見つめてはいけない
もうひとりのあなたが 濡れた肩を震わせて
水彩のように Scenery 染め上げてゆくとき
そのとき 誰があなたに告げるだろうか
あなたが描いてきたものは あなたが取り逃したものでしかないと
誰があなたに告げるだろうか
風が雨の予感を孕んで吹き抜ける
夏が全身を痙攣させて倒れこむとき
たしかにあなたはもうひとつの夏のはじまることを知っている
あなたにも降参するだけの勇気があるならば。
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