終演/山中 烏流
 
する
 
 
****
 
 
ネジを外したあとの
小さな穴を
絆創膏でふさぐ
 
溢れだした思考が
手にかかって
べたべたとしている
 
気持ち悪くは
ない
 
 
*
 
 
目を閉じた時が
一番、真実なのだと
君は言った
 
言ったあと笑った
それが、嘘だと
私は気付いている
 
 
**
 
 
「なら
 私の両の手から
 伸びる糸、全て
 
 はっとするくらいの
 赤、だと思うの」
 
いつか
私がそう言ったとき
君は何故
泣いて、いたのか
 
 
***
 
 
もしも無人島に
何かを持っていけるとしたら
君以外なら
なんだっていいと思った
 
私は言った
言ったあと、
 
小さく
音をたてて
キスを、残した
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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