一人/
狩心
たと思う、
友よ、
そろそろ私にも子供が生まれそうなのだ、
その子供に私は何と声を掛けたら良いのだろう、
たぶん何も語らずに小さく微笑むだけだと思う、
あなたも一緒に微笑んでくれるだろうか、
午後十二時の鐘が鳴っている、
私は最終電車で家に帰るから、
君はここで明日の私を待っていてはくれないだろうか、
名前も知らない君に、
私の記憶を全て託す、
不安なことは何もない、
あの暗闇の向こうに、
静寂が広がっている、
今は亡き、
母の記憶だ、
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