一人/狩心
少年になれない大人の男が、
少年の青さを嘲笑う、
本当は俺も少年になりたいなと、
家から職場までの歩数はいつも同じで、
今日も新聞を読んだだけだ、
果たして私に本当に新聞は必要なのか、
今まで読んできた新聞が体中に張り付いて離れない、
いっそのこと新聞人間とかいう新人類に成りたいものだが、
そもそも私は新聞を全く読まないので無理だ、
社会の「社」の字を削除して、
気分転換に性転換手術を行う、
そろそろ秘密を打ち明ける時がきた、
携帯電話で友人とひそひそ話をする、
行く場所などありもしないのに、
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