right angles/
木葉 揺
直角先生の背中を覚えてる
今にも椅子に座りそうな歩き方をしてた
私が勝手に背伸びしたのだよ
行動の意味もわからず
その後を追った
つもりだった
カクカク キカキカ
物静かな先生の足跡は
大きな直角を描いて
あまりにも美しかった
私は石畳で升目とばすように
たどったけれど
カクカク アレアレ
何か狂い始めて
鈍角しか描けなかった
それでも先生の居所をさがしてる
ような気がする
首も肩も腰も足も
今でも直角か確かめるために
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