おじいちゃん/ちと
 
夜空の真ん中に浮かぶ月のように、きれいな顔。

ちいさくて
ちいさくて
ちいさくて
ちいさくて
ちいさくて

死んでるの?ほんとうに?
写真を見なかったら、記憶とは重ならなかった。

最後に会ったのは小学6年生の夏休み。
あたしと弟を、マルの散歩に連れて行ってくれた。
きっと、とても暑い日だった。
マルってば川の浅瀬で寝そべっちゃって、気持ちよさそうに休んでさ。
おじいちゃんはやっぱり優しくて、「面白いだろー。」
はははって笑った。

おじいちゃんにまた会いたくて、年賀状を書いた。
書道教室の先生だということをお母さんから聞き、
自分の下手な字が恥ずかしいと
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