愛して/水在らあらあ
のパストール連れた女が浜辺を散歩している
うらやましいくらいの主人だな
もうちょっと友達になっておけばよかった
カモメたちが連なって帰ってゆく
きっと子供たちが待っているのだろう
浜の向かいの通りではケバブ屋さんのモハメッドが
三人の妻と急がしそうに肉を切っている
明日は波あるかな
早起きして来てみようかな
夜の海は疲れ果てた砂浜を優しく撫でて
朝の海は俺を引きずって叩く
そのどちらでもいい
そのどちらもきれいだから
こんなにきれいじゃなくてよかった
でも世界は
美しくて
ありがとう 俺は、
愛して、自由に生きる
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