訪問/山崎 風雅
夏が玄関口まで来てベルを鳴らした
こんにちは、私、夏と言うものです!
元気一杯の挨拶
その声だけで俺をいらつかせた
帰ってください!
間に合っています!
イヤ、とりあえず話だけでも
間に合っています!
ほんの少しでいいんです!
暑い、暑い、暑い
そのうち玄関の扉の隙間から
部屋に入ってきた
やめてください
もう、汗でだくだくになった
家の中の温度が一気にあがった
たいへんだ!
こんな調子ではろくに家事もできない
夜も寝れない
帰ってくれよ
お願いだから
夏は部屋中に散らばってのさばった
そう言えば毎年のことだ
仕方がないので
そうめんを食べた
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