はるやすみ/
mott
あんなにくっきりと見えていた黒猫が、
あぁ、椿の木に融けてしまった。
高い空に滲んでしまった
春一番に吹かれてしまった。
さよなら
アスファルトの色が変わるのを見ながら角を曲がった
ふと見上げると桜の木の中にくっきりと、
まだ黒猫はそこにいたんだ
戻る
編
削
Point
(4)