あやつりママ/なかがわひろか
 
母が晩御飯を作るのが面倒くさいというので
私が代わりに作ることになった
冷蔵庫を見ても
調味料くらいしかなかったので
母に、材料になるかい?と聞いたら
とても面倒くさそうに頷いた

母をまな板に載せるのは大変だったし
もうほとんどまな板はその意味を成してはいなかったが
一応これは料理なのだからと
やっとのおもいで母をまな板に乗せて
私は母を適当な大きさに切り分けていった

母はとても面倒くさそうで
だらんとまな板の上で横になっていた
私はあまり手際のよい方ではないので
母を切り分けている途中に
何度も母のため息を聞いた

ほどよ
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