月海/アマル・シャタカ
 
海のない町で
静かに月の海をみあげる
溺れることのないそこは
僕の心を沈めて

耳に木霊するあの声は
よせてはかえし
ゆらゆらと僕の心を

手繰り寄せる
つながる月
つながる夜
瞳を閉じて吸う

踏みにじられた土の上を
土の上を素足で
埋め込む指先
土に塗れて汚れてしまっても

ここに僕は居るからと
月の海をみあげ
抱きしめる夜

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