キミに逢ってからキミが死ぬまでの間/円谷一
 
からない
 だから詩の中でだけでもあの時にいさせて
 他に思い出なんて一つも無いけど僕をどうか生かせて下さい神様
 晩春の風が初夏の風に変わる時
 そんな曖昧な間
 生涯忘れられない出来事にであった
 これを障害と捉えるかは自分次第だ
 男がそんなことでくよくよするなよと思われるかもしれないけど
 詩に向かう時自然とあの時のことが思い出されるんだ
 聴かせたかったさくらんぼの歌も
 聞かせたかった星空の神秘についても
 伝えたかった気持ちも水の泡と消えた
 私のお墓の前で泣かないで下さい っていう歌があるけど
 お墓の前に立ったら青空の尊さを身に感じるかもね
 なだらか
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