蜜色の夢/
朽木 裕
って思ってた。幸福の味がするって云ってた蜂蜜の味、一緒に舐めれば良かった。
「…私、君のことが好きだったんだ、」
今更、気付くなんて馬鹿みたい。もう君は居ないのに。もう二度と帰ってこないのに。
君は終わりにしたんだ、あの時あの写真の中で。泣きながら笑っていたんだ、きっと。あの時の君は。
眠りは深く緞帳を下ろして、黒をも目覚めさせはしなかった。口元に僅かな微笑。私は蜜色の夢の中、眠りにつくことにした。
戻る
編
削
Point
(3)