パピヨン 〜蝶〜/望月 ゆき
 
砂の上

ふたり膝を抱えて 
手のひらから
無数の砂粒をこぼしながら
波の音を数えた

星屑を散りばめた
朝の海をあげるよ

あの瞬間は 
二度ととりもどせない


ため息。 

ひらひら
きみ色の パピヨン


言葉に出さない愛も 
きっとある はず

それは気休めで 
それは君を傷つけていた

確かめ合う現在(いま)を
なくさないで


さよなら。 

ひらひら
きみ色の パピヨン


今はまだ 想い出にできない


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