夢の世界の住人たち/
紫翠
放課後には少しはやい 午後
夏の始まりを
逃がさないように
自転車同士
つないだ手
ふたり 風になって
長い長いお休みは
もうすぐそこ
追いかけるように
でこぼこ道
スピードをあげて ふたりは
きっと そのまま 風になったのだろう
遠い夏の木立
今もさざめく
あの日のわたしと想い人
もう どこにも探せない
夢の世界の住人たち
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