梅雨/倉持 雛
* 雨 ぷらす 享楽
かたつむりを追いかけたり
水たまりに入ってみたり
いつもと違う遊びができる
この日を待ちわびていた
泥だらけのズボンの裾を誇らしげに
明日の約束を交わした
* 雨 ぷらす 幸福
二人分の足音
赤と青
お揃いの傘が揺れる
帰り道の永遠
紫陽花がふたりを見つめていた
* 雨 ぷらす 哀愁
じめじめが
ほんの少し
センチメンタルにさせる
涙は雨粒で誤魔化して
笑ったふりをしてみた
* 雨 ぷらす 未来
降水確率50パーセントの
明日を想う
綺麗な歌は歌えなくていい
ありのままで
雨に溶けて
戻る 編 削 Point(10)