真夜中に沈む月/LEO
続いた雨の音階は消え
訪れた静かな夜
問うこともせず
答えることもなく
過ぎてゆくだけの影に
狭くなる胸の内
満たしていたもの
耳に慣れた雨音と
肌に馴染んだ湿度と
それらの行方をさがして
暗闇に預けた瞳の端に
光るものがある
薄れゆく雨雲を分かち
天の星、月明かり
雨の滴は夜光となり
無言の夜に点される
か細き光明は
この胸元にさえ届けられ
私もまた
ひとつの夜光となる
眠れぬあなたも
ひとつの夜光となって
互いにひきあう
その片隅で
月は暮れかかる
戻る 編 削 Point(33)