我輩は藁である。 /服部 剛
。運転の付き添いを探していたら周りに誰もいな
くてよぉ・・・そこへお前がぼぉ〜っと突っ立ってたから
よぉ、藁をもすがる思いでお前につかまり、溺れそうなと
ころから浮かび上がれて助かったぁ・・・やっぱりものは
使いようだな(笑))
軽自動車は、老人ホーム玄関前に停車し、左右のドアを開
いて降りた先輩Aと後輩Zは車のお尻の開いたドアから、軽
なった車椅子を下ろし(ありがとう・・・!)の言葉を背
後に「あぁらいぶにいかねば・・・」と思いつつ(でも、
藁になれて、よかったじゃあないか・・・)と後輩Zは不
思議と心を充たされながら、軽くなった車椅子を押して、
開いた自動ドアの中へ入っていった。
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