不在/快晴
 
何気ない日々が淡々と過ぎていく
何をしていても
何もしていなくても
そんなことは知っているのに
私は悲しみを持て余すばかりで

いつもは無口なあの人が
今日はよく笑っていた
野に咲いた名も知れぬ
小さな花がとても綺麗だった

坂の上から見えた夕日が
あまりに美しかった
さっき食べたご飯が
泣きたい程に温かかった

でもそんな小さな出来事を
今までなら「うんうん」と
微笑みながら聞いてくれた君が
ここにはもういないから
ただ伝えたいだけなのに
私のそばにはもういないから

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